イタリア旅行記⑧(ローマ・バチカン編)
この日はバチカン市国を周る日です。
朝はゆっくりめに起き、カンポ広場のマーケットを見に行きました。
こちらでは、衣服、野菜、小物、食器、チーズ、ハム、調味料等が、一部は主に観光客向けに露天形式で売られています。
商品こそ観光客向けですが、売り手はそこまで押しは強くなく、観光客としては見て回りやすいマーケットでした。
また、この近辺には本格的な肉屋があり、普段見慣れないような大量のハムやサラミが売られていました。
カンポ広場の付近で、巨大なパニーニを食べました。
とても食べ切れるサイズではありませんでしたが、ハムがとても美味しかったです。
カンポ広場から、バチカン市国へ向かいます。
途中、路地を活用して美術作品が展示されていました。
イタリアでは、このように、遺跡や路地の一部をギャラリーとして活用することが多いようで、まさに芸術の国であることを実感させます。
バチカン市国が見えてきました。
サン・ピエトロ大聖堂は壮大で、美しかったです。
バチカン市国に入ると、沢山の人が聖堂に入るために並んでいました。
我々は、バチカン市国内の郵便局で、親戚に葉書を書いて送りました。
ローマ教皇の切手を貼って、投函しました。
バチカンの消印がつくはずです。
立入禁止の場所には、おしゃれな服を来た衛兵が立っていました。
歴史的に、スイスの軍人がバチカンの衛兵を勤めているそうです。
バチカン美術館の予約をしていたので、一度バチカン市国を出て、美術館へ向かいました。
サン・ピエトロ大聖堂から意外と遠く、歩いて15~20分程度かかります。
入り口には沢山の人が並んでいましたが、予約していたので列をスキップできます。
biglietteriamusei.vatican.va
しかし、このときも、PDFチケットの時間しか確認されませんでした。
周囲には、「チケットをあげるよ」というダフ屋まがいの人が沢山いましたが、どうやら偽物のPDFを高価で販売しているようです。。
バチカン美術館は、ローマ教皇を選ぶときに行われるコンクラーベが行われるシスティーナ礼拝堂で有名ですが、それ以外にも沢山の芸術作品や歴史的な物品が展示されています。
古いものは、紀元前にイタリアに居住していたエトルリア人の陶器や、古代エジプト、古代ローマ時代のもの、新しいものは20世紀以降のものまで、様々です。
有名なものだと、ルネッサンス期の画家ラファエロの絵が展示されていたりします。
そんなこんなで、システィーナ礼拝堂にたどり着くまでは、ショートカットをしても2時間程度かかります。。
そして、途中までは展示場が非常に狭く、ツアーで音声ガイドを耳に集団行動している人もいるので、流れがゆっくりで、かなり混んでいます。
もちろんエアコンはなく、風通しが悪いので、美術に興味がない人は、暫くは忍耐が必要です。
そして辿り着いたシスティーナ礼拝堂、沢山の人でした。
しかし、壁面に描かれたミケランジェロの最後の審判にも、沢山の人が描かれていました。
天井や左右の壁面には、旧約聖書の創世記の物語が描かれています。
最後の審判は、とても鮮やかな青色の背景で、他では見ないようなインパクトがありました。
この絵は、世界の最後に、キリストが人間を裁いている場面を示しているとのことで、キリストから見て左は地獄を、キリストから見て右(Right、正しい)は天国を表すそうです。
最初ミケランジェロがこの絵を描いたとき、教皇やその関係者は、裸体が描かれたこの絵を不謹慎なものとして忌み嫌ったそうです。
ミケランジェロは、なかなか皮肉な性格の人だったのか、その関係者をこの絵の中に地獄の裁判官として登場させたとのことです。
結局後々になって、他の画家が、この絵の登場人物の秘部に布をかぶせる形で上描きをしたとのことでした。
システィーナ礼拝堂を後にすると、カフェテリアとカフェがありました。
もう歩き疲れて腹ペコだったので、カフェテリアでランチとしました。
カフェテリアはよくある食堂形式で、簡素なものでしたが、パスタはとても美味しかったです。
その後、再び大聖堂の前を通りましたが、相変わらず沢山の人で、およそ並ぶ元気がなく、外から眺めるにとどめ、歩いてサンタンジェロ城に行くことにしました。
サンタンジェロ城は、ローマ帝国のハドリアヌス帝が自分の墓として建てたものですが、その後ローマ教皇が砦として使用するため、改築を重ねたとのことです。
そのため、バチカンにつながる隠し通路があったり、ローマ教皇用のアパートがあったりします。
このサンタンジェロ城も、スマホアプリでオーディオガイドを聞くことができます。
しかも、こちらはさらに驚いたことに、エリアごとにビーコンが取り付けられており、エリアに到達すると、自動的にそのエリアの解説が始まる、というものです。
日本の観光地でも是非広まって欲しいなと思います。
場内を上がっていくと、とても眺めの良いテラスがあり、家族経営のカフェがあります。
このカフェは、夕方早めの時間だと混んでおらず、しかもお値段も良心的で、サン・ピエトロ大聖堂を真正面に見ることができるので、非常にオススメのスポットです。
我々はここで30分ほどワインを飲みながら、イタリア歌曲やナポリ民謡を聞いてまったりしました。
夕日が沈む頃、さらに城内を上り、屋上に到着しました。
さすがに少しずつ人が集まってきましたが、それでもローマの他の観光地よりは大分空いており、落ち着いて夕暮れ時のサン・ピエトロ大聖堂を眺めることができました。
おそらく、ローマで見た景色の中で最も美しい景色だったのではないかと思います。
サンタンジェロ城の出口付近では、ブルガリの特別展をやっていました。
名残惜しい気持ちでサンタンジェロ城を後にし、バスでテルミニ駅付近のレストランに行くことにしました。
ここで1つ教訓が得られたのですが、ローマで評価が高く、本当に美味しいレストランは家族経営のレストランです。
そして、そういったレストランには、週末は地元の人が集まります。
地元の人は予約をしてレストランに来ています。
よって、予約なしの観光客は、相手にされません。
そして、観光客が電話で予約しようとしても、まず電話が繋がりません。
なので、本当に行きたい家族経営の美味しい地元のレストランがあったら、数日前にレストランに赴いて、または予約代行で予約をするのが確実です。。
という教訓を得るくらいには、数件めぐり、最終的にこちらのレストランにたどり着きました。
www.tripadvisor.com
こちらも、地元の人々で大変賑わっており、しかし他のお店よりリーズナブルでした。
ハモンセラーノとシンプルなトマトパスタとビーフステーキと赤ワインを注文しました。
ボリューム満点でしたが、比較的優しい味付けで、平らげてしまいました。
アマトリチャーナは私には少し味が濃いのですが、トマトパスタは私でも美味しく完食できました。
食後にトリュフアイスを注文し、お腹いっぱいでバスでナボナ広場へ戻りました。
11時頃のナボナ広場は、まだまだ人はいたものの、さすがに店じまいムードで、少し寂しさを感じながら、B&Bに戻り、ゆっくりと休みました。