イタリア旅行記④(フィレンツェ→ベネチア)
この日は鉄道移動です。
早朝の人の少ないドゥオモを脇目に、サンタマリアノヴェッラ駅へ向かいます。
イタリア人は、思ったより朝早起きで、7時台でも駅前には結構人がいます。
この日はitaloという私鉄で移動します。
www.italotreno.it
trenitaliaという公営の鉄道もあるのですが、italoは車体がかっこよく、サービスもよく、この日のチケットはitaloの方が安かったので、italoにしました。
https://www.trenitalia.jp/
チケットはオンラインで購入しました。
italoは鉄道民営化に伴い、フェラーリの会長などが資金を出し合って設立された会社の鉄道で、trinitaliaの線路を借りて走行している、ということになっているそうです。
深紅の車体は、とても素敵です。
今回はベネチアサンタルチア駅まで3時間ほどの鉄道旅です。
途中、ロミオとジュリエットで有名なベローナも通りますが、特に目立ったこともなく、淡々と走っていきます。
今回は周遊ということで、移動がとても多い旅行ですが、町歩きの合間に、外の景色を見ながらその町や歴史について調べたり、ブログをまとめたり、というスタイルは、私にはとてもあっているように感じます。
サンタルチア駅到着の直前は、イタリア本土からベネチア本島を結ぶ長い橋を渡ります。
外は一面海で、なかなか見ることのできない景色です。
水は少し緑がかった、独特な色をしています。
サンタルチア駅を出ると、そこには早速大運河が流れていました。
他のどこでも見ることができない景色に、うっとりしてしまいます。
建物も、黄色やピンクがかった橙など、明るい色のものが多いです。
ベネチアでは車は走行できないので、車の代わりに全て船がその役割を担っています。
B&Bへは、水上バスを利用します。
駅前のチケットオフィスで、チケットを購入し、早速5.2の水上バスに乗りました。
このバスは、ベネチア本島の北側の外周を走行します。
水上バスの駅から10分程度歩いたところに、本日のB&Bがあります。
www.booking.com
こちらのホストは、シルビアとクラウディアという女性2人です。
とても親切で、センスの良い方で、フロントの随所にそれを感じさせる飾り付けが施されています。
また、到着後は水を出してくれ、地図を片手に見所を紹介してくれました。
翌朝は、また早くに鉄道に乗る予定でしたが、特別に早めに朝食を用意してくれることになりました。
部屋も何やらホワイトムスクのとても良い香りがします。
部屋からの眺めも良く、最高のB&Bでした。
少しゆっくりしてから、周辺を少しお散歩しました。
なんてことのない路地でも、雰囲気があってとても素敵です。
一方で、町全体が入り組んでいたり、橋で渡れる場所が限られていたりして、まるで迷路のようです。
早速少し迷いながらも、ランチに向かいました。
www.tripadvisor.jp
ベネチアは海鮮が有名ということで、手長エビのパスタを注文。
旨味たっぷりのトマトと、海鮮の出汁がとても美味しいパスタでした。
ランチ後は、有名なリアルト橋へ向かいます。
途中何度も迷いそうになりましたが、Google Mapのおかげでなんとか到着。
リアルト橋周辺は観光客でとても賑わっていました。
リアルト橋の上から眺める景色は、それはそれは絶景でした。
あまりに非日常的な景色で、完成されているので、ここは某テーマパークなのではないかと勘違いするほどです。。
暫くずっと歩き回って、道に迷いました。
どうやら、簡単には戻れないところまで来てしまったようです。
近くには、アカデミア橋という巨大な木製の橋がありました。
そこから水上バスに乗り、町の中心であるサンマルコ広場に向かうことにしました。
サンマルコ広場に向かう途中、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂という聖堂を通ったので、途中下船して、拝観することにしました。
こちらは、今まで見たどの聖堂や寺院よりも、ずっとシンプルです。
どうやら、黒死病の折に、人々の健康(サルーテ)を願って作られた寺院とのことです。
イタリアでは、黒死病の話をよく聞く機会があり、それがどれだけ中世ヨーロッパの人に打撃を与えたのか、想像すると恐ろしくなります。
知らず知らずのうちに、隣人がどんどん倒れていく、、自分もいつ罹患するか分からず、ある日症状が出て、、と考えると、その絶望感は想像に難くないです。
そんなことを考えつつ、再び水上バスに乗って、お目当てのサンマルコ広場へ。
サンマルコ広場は、凄まじい数の観光客でごった返していましたが、ナポレオンが世界一美しい広場と称したのも頷ける豪華さと美しさでした。
サンマルコ寺院は、今まで見てきたドゥオモとは大きく異なり、美しい青いドームと、大理石でできた繊細な彫刻が施されていました。
広場の両サイドには、お土産屋さんやカフェがひしめき合っています。
ちょっと外れのカフェでAperolというイタリアの食前酒を飲みました。
このApperoleですが、オレンジのシロップとプロセッコ(スパークリングワイン)とカンパリを混ぜ合わせたイタリア独自の食前酒で、これを片手にカフェでのんびりする観光客をよく見かけます。
甘めのお酒ですが、私の口にはあまり、、でした。(お店が悪かっただけかもしれませんが)
その後、サンマルコ広場の見物の一つである、鐘楼に上ります。
こちらはフィレンツェのものとは異なり、エレベータで一瞬で上れます。
てっぺんからは、ベネチアの島々とアドリア海の景色をのぞむことができ、とても美しかったです。
特に、先程訪れたサルーテがベネチア本島の入り口でとても美しく見えました。
鐘楼の後は、サンマルコ寺院に入ります。
ベネチアはイタリアの中でもローマ教皇の権力から独立した共和国時代が非常に長く、独自の文化を築いていたため、サンマルコ寺院はドゥオモ(大聖堂)ではなく、寺院と呼ばれるのだそうです。
こちらは、リュックサック等の大きな持ち物は持ち込み禁止なので、近くの預かり所に預ける必要があります。
私達が訪れた時間は大分遅かったので、教会の内部までは入れなかったのですが、入り口付近を見学することができました。
外装と同様に、内装も豪華なもので、金とモザイクの天井でした。
(撮影禁止だったため、写真は撮っていません。)
その後、サンマルコ寺院に隣接する、ベネチア共和国時代に議会や裁判所として使用されていたドゥカーレ宮殿に向かいます。
こちらは入館料50ユーロというなかなか割高な建物ですが、その価値がありました。
内部は非常に大きく、天井などの装飾も豪華なものでしたが、それに加え、当時の武器庫や牢屋等、他ではなかなか入ることができない場所を見ることができます。
武器庫では、中世の騎士のイメージ通りの、全身を鉄で覆う形の鎧や、装飾的な剣等を見ることができました。
牢屋では、暗い独房や、囚人用のベッド等を見ることができました。
宮殿と牢屋を繋ぐ橋はため息の橋と呼ばれており、囚人が牢屋に連れて行かれる際にこの橋の小さな窓から外の世界を眺め、ため息をついたことに由来しているそうです。
今でも、小さな隙間からベネチアの細い運河と橋を垣間見ることができます。
日も暮れる時間になり、ちょっとこれはどうしてもゴンドラに乗ってみたいとのことで、町のあちこちにあるゴンドラ乗り場へ。
このゴンドラは、最大積載人数6人+船頭で、一律80ユーロです。
大人数で乗ったほうが割安ということで、頑張って他に興味のありそうな観光客を探したのですが、ことごとく興味ないとあしらわれる始末で、諦めて乗ることにしました。
安くはない出費でしたが、夕焼け時のサルーテ寺院や、細い運河沿いの建物を眺めるのはなかなか楽しく、他ではできない体験をすることができました。
ゴンドラから降りてからは、ライトアップされたサンマルコ広場を後にし、夕食へ。
www.tripadvisor.jp
ここでは、ベネチア名物のイカ墨パスタと、子牛のレバーをいただいました。
パスタは海鮮の旨味が美味しく、レバーも意外とくさみが少なく日本人好みの味でした。
食後には、気前の良いウェイターの方がリモンチェッロを持ってきてくれました。
暗くて狭い路地に迷いながら、帰路につき、ぐっすりと休みました。